本日、オンラインで一人の女性とお話をしました。
東北地方にお住まいの57歳の女性です。
画面越しにお会いした瞬間、とてもお綺麗な方だな、というのが第一印象でした。
けれど、お話をしていくうちに、それ以上に心に残ったものがありました。
穏やかな話し方。
柔らかな表情。
こちらの話を丁寧に聞いてくださる姿勢。
そして、決してご自身を大きく見せようとはしない、自然体のお人柄。
お話ししているこちらまで、不思議と心が落ち着いていくような女性でした。
これまで長く教員としてお仕事をされ、現在は音楽教室をされています。
人に何かを教えること。
人の成長を見守ること。
そして音楽を通して、人の心に寄り添うこと。
きっと長い年月の中で、たくさんの方と向き合い、たくさんの人生に触れてこられたのだと思います。
そして、この女性には、もう一つ大きな人生経験があります。
20年以上前に、ご主人様と死別されています。
お子様はお二人。
一人は現在、海外で生活され、もう一人は東京で学生生活を送られているそうです。
長い間、お母様としてお子様を育て、ご家族を支え、お仕事にも向き合ってこられました。
そして今、お子様たちは少しずつ、それぞれの人生を歩き始めています。
そんな人生の節目を迎えた時、
ふと、自分自身のこれからについて考える。
「これから私は、誰と、どんな時間を過ごしていきたいのだろう」
そう思うことは、決して特別なことではありません。
むしろ、とても自然なことなのだと思います。
「もう57歳」ではなく、「まだ57歳」
婚活のご相談を受けていると、50代、60代の方から、よくこんな言葉を聞きます。
「もう、この年齢ですから」
「今から結婚なんて遅いですよね」
「若い方とは違いますから」
「私くらいの年齢になると、もう難しいでしょうか」
その言葉を聞くたびに、私は思います。
本当にそうでしょうか。
57歳。
仮にこれから80歳まで人生が続くとすれば、23年あります。
85歳なら28年。
90歳なら33年です。
もちろん、人生が何歳まで続くかは誰にも分かりません。
だからこそ、大切なのではないでしょうか。
「あと何年あるか」ではなく、
「これからの時間を、どう生きたいのか」
を考えることが。
若い頃には分からなかった「幸せ」がある
20代、30代の婚活では、どうしても条件に目が向きやすくなります。
年齢。
年収。
職業。
学歴。
身長。
住んでいる場所。
初婚か再婚か。
子どもを希望するか。
もちろん、それらも大切です。
けれど、50代、60代になって人生を振り返った時、人は少し違うものを求めるようになります。
朝起きた時に、
「おはよう」
と言える人がいること。
今日あった出来事を、
「こんなことがあったよ」
と話せる人がいること。
美味しいものを食べた時、
「美味しいね」
と言い合える人がいること。
体調を崩した時、
「大丈夫?」
と声をかけてくれる人がいること。
旅行に行く。
映画を観る。
散歩をする。
食事をする。
時には何もしないで、同じ部屋でそれぞれ好きなことをして過ごす。
若い頃には当たり前に思えた、そんな何気ない日常が、実はとても大きな幸せだったと分かるようになります。
だから私は、50代、60代からの婚活 を、
「若い頃の婚活の続き」
とは考えていません。
これまでの人生を否定して、新しい人生に作り替えることでもありません。
これまで歩んできた人生を大切にしながら、
「ここから先を、もっと幸せにするための婚活」
なのだと思っています。
死別した人が、もう一度幸せになってもいい
長く結婚相談所の仕事をしていると、死別を経験された方とお話しすることがあります。
その中には、心のどこかで、
「もう一度誰かを好きになってもいいのでしょうか」
というお気持ちを抱えている方もいらっしゃいます。
亡くなったご主人や奥様への想い。
一緒に過ごした時間。
家族として積み重ねてきた思い出。
それらを大切に思えば思うほど、新しい幸せを求めることに、どこか申し訳なさを感じてしまう。
でも私は、
過去を大切にすることと、これから幸せになることは、決して矛盾しない
と思っています。
新しい方と出会ったからといって、過去が消えるわけではありません。
亡くなった方との思い出を忘れる必要もありません。
その人生があったから、今の自分がいる。
その経験も、喜びも、悲しみも、全部抱えたまま次の人生へ進んでいいのです。
再び笑っていい。
誰かと食事を楽しんでいい。
旅行へ行っていい。
誰かを大切に思っていい。
そして、
もう一度、幸せになっていい。
私はそう思います。
「子どもがいるから」と、自分の人生を止めなくてもいい
今回お話しした女性には、お二人のお子様がいらっしゃいます。
一人は海外へ。
もう一人は東京へ。
それぞれが少しずつ、自分の人生を歩み始めています。
子育てをされてきた方ほど、自分より子どもを優先することが当たり前になっています。
「子どもがどう思うだろう」
「母親が今さら婚活なんて」
「再婚したら子どもに迷惑をかけるのでは」
そんな心配をされる方もいらっしゃいます。
もちろん、お子様のお気持ちを無視していいということではありません。
ご家族との関係は大切です。
ただ、
親にも、親自身の人生があります。
子どもが自分の人生を歩み始めた時、親が自分自身の幸せについて考えることは、決して身勝手なことではないと思います。
むしろ、お母様やお父様が毎日を楽しそうに生きている。
信頼できるパートナーと笑っている。
人生を前向きに楽しんでいる。
そんな姿を見て、安心するお子様もいらっしゃるのではないでしょうか。
地方に住んでいるから、出会えない?
そして、もう一つ。
地方にお住まいの方から、
「東京ではないので、難しいでしょうか」
とご相談を受けることがあります。
確かに、距離は現実的な問題です。
東京と東北。
東京と関西。
東京と九州。
簡単に毎週会える距離ではないかもしれません。
しかし、今はオンラインで最初のお話をすることもできます。
新幹線も飛行機もあります。
そして50代、60代になると、若い頃とは生活環境も変わっています。
仕事の形を変えられる方。
二拠点生活ができる方。
定年後の生活を考えている方。
将来的な移住を考えられる方。
お互いの住まいを行き来する関係を希望される方。
結婚したからといって、必ずどちらかがすべてを捨てて相手の場所へ移らなければならないわけではありません。
大切なのは、
「遠いから無理」と最初から可能性を閉じることではなく、二人ならどんな生活ができるかを考えること。
人生経験を重ねた大人同士だからこそ、柔軟な夫婦の形があってもいいと思います。
50代からの婚活で、本当に大切な「条件」
もちろん、婚活ですから条件はあります。
年齢。
収入。
職業。
居住地。
家族構成。
資産。
健康。
結婚後の生活。
それらを確認することは、とても大切です。
けれど、条件表には載らないものがあります。
一緒にいて安心できるか。
無理をしなくていいか。
沈黙が苦しくないか。
自分の話をきちんと聞いてくれるか。
意見が違った時に話し合えるか。
弱っている時に優しくしてくれるか。
そして、
その人の隣にいる自分を、好きでいられるか。
私は、大人の婚活 では、こうしたことが非常に大切だと思っています。
プロフィール上の条件が100点でも、一緒にいると疲れてしまう相手がいます。
反対に、最初は「希望条件と少し違う」と思っていた方なのに、会ってみたら驚くほど自然に話せることがあります。
「この人といると、なんだか落ち着く」
その感覚は、決して数字では測れません。
「一人でも生きていける」と「一人で生きたい」は違う
50代、60代の婚活をされる方の多くは、すでに一人でも生活できる方です。
仕事がある。
住まいがある。
経済的にも自立している。
友人もいる。
趣味もある。
だから、
「別に結婚しなくても生きていけます」
とおっしゃる方もいます。
その通りです。
結婚しなければ生きていけない時代ではありません。
だからこそ、私はこう思います。
「一人でも生きていけること」と、「これからも一人で生きたいこと」は、まったく別です。
一人でも大丈夫。
でも、誰かと一緒ならもっと楽しいかもしれない。
一人でも旅行へ行ける。
でも、感動した景色を隣で一緒に見てくれる人がいたら嬉しいかもしれない。
一人でも美味しい食事はできる。
でも、
「これ、美味しいね」
と言える人がいたら、その時間は少し違ったものになるかもしれない。
結婚は「足りない自分を埋めてもらうこと」ではありません。
大人の結婚だからこそ、
一人でも歩ける二人が、一緒に歩いたら人生がもっと豊かになる。
そんな関係が理想なのではないでしょうか。
婚活を始めると、自信をなくすことがあります
ただし、婚活を始めれば、すぐに理想の方と出会えるとは限りません。
お申し込みをしても返事が来ない。
お見合いが成立しない。
会ってみたけれど、次につながらない。
自分は良いと思ったのに、お相手からお断りされる。
そんなこともあります。
そして、それが何度か続くと、
「やっぱり57歳だから」
「再婚だから」
「子どもがいるから」
「地方に住んでいるから」
と、自分自身を否定し始めてしまう方がいます。
でも、それは違います。
お見合いが一つ成立しなかったことと、
あなたという人間に価値がないことは、まったく別の話です。
たった一人に選ばれなかったからといって、あなたの人生が否定されたわけではありません。
10人に会えなかったとしても、11人目が人生のパートナーになることだってあります。
婚活は多数決ではありません。
100人から好かれる必要はありません。
最後に、
「この人と一緒に生きていきたい」
と思える一人と出会えればいいのです。
たった1か月で、自分の価値を決めないでください
私は「心の指圧師」として、婚活をされている方に何度もお伝えしたいことがあります。
婚活を始めて1か月。
2か月。
3か月。
思ったような結果が出ない。
すると、
「もう無理かもしれない」
と思ってしまう。
でも、
たった1か月で、あなたの人生の価値を決めないでください。
57年間生きてきた人の魅力が、婚活サイトに登録して1か月の結果だけで判断できるでしょうか。
そんなはずはありません。
57年間の中には、
笑った日も、
泣いた日も、
頑張った日も、
誰かを支えた日も、
一人で耐えた日も、
たくさんあったはずです。
仕事をしてきた。
家族を守ってきた。
子どもを育ててきた。
人との関係を築いてきた。
失ったものもあった。
それでも今日まで歩いてきた。
それら全部が、その人の魅力です。
プロフィールの数行だけでは伝わらない人生があります。
だから婚活では、時に時間が必要なのです。
「もう一度、誰かと生きてみたい」
今回お話しした57歳の女性を見ながら、私は思いました。
まだまだ、これから素敵な人生が待っている方だな。
長く教員として人と向き合い、今は音楽を通して人と関わっている。
母としてお子様を育て、大切な方との死別も経験された。
嬉しいことだけではなく、人生の痛みも知っている。
だからこそ、誰かの気持ちを深く理解できるのではないでしょうか。
若さだけでは身につかない優しさがあります。
経験したからこそ持てる包容力があります。
そして、大人になった今だからこそ築ける関係があります。
若い頃のような、
「好きだからずっと一緒にいたい」
だけではなく、
「あなたの人生も大切にしたい」
「私の人生も大切にしてほしい」
「それでも、一緒にいられたら嬉しい」
そんな愛情の形です。
57歳は「人生の終盤」ではない
57歳という数字だけを見ると、
「もう若くない」
と思う方もいるかもしれません。
確かに、20歳ではありません。
30歳でもありません。
でも、だから何でしょう。
若さには若さの美しさがあります。
そして、
人生を重ねた人には、人生を重ねた人にしかない美しさがあります。
人を見る目。
相手を許す余裕。
自分の弱さを知っている強さ。
何でも完璧にはいかないと分かっている柔軟さ。
何気ない日常のありがたさを知っていること。
それはすべて、年齢を重ねたからこそ得られるものです。
婚活とは、若さを競う場所ではありません。
誰かと比べて、自分の価値を決める場所でもありません。
これからの人生を一緒に歩ける人を探す場所です。
心の指圧師として、最後に伝えたいこと
もし今、このブログを読んでいる方の中に、
「もう遅いかな」
と思っている方がいらっしゃったら。
57歳だから。
60歳だから。
70歳だから。
再婚だから。
死別だから。
子どもがいるから。
地方に住んでいるから。
そんな理由で、ご自身のこれからの可能性を閉じようとしているなら、一度だけ考えてみてください。
「私は、本当にこの先の人生を一人で過ごしたいのだろうか?」
一人が好きなら、それも素敵な人生です。
結婚だけが幸せではありません。
無理に誰かと一緒になる必要もありません。
でも、本当は誰かと一緒に食事をしたい。
旅行に行きたい。
話をしたい。
笑いたい。
支え合いたい。
そして、
もう一度、誰かを大切にしてみたい。
そう思っているのなら、その気持ちに年齢制限をかける必要はありません。
「もう57歳」ではありません。
「まだ57歳」です。
これまでの57年間は、これからの幸せを邪魔する荷物ではありません。
むしろ、これから誰かを大切にするために積み重ねてきた、あなたの人生そのものです。
婚活は、過去を消して新しい自分になるためにするものではありません。
これまで歩いてきた自分を大切にしながら、
「この先を、誰と歩きたいか」
を考えるためのものです。
人生には、何歳になっても新しい出会いがあります。
出会いにはタイミングがあります。
相性があります。
そして、ご縁があります。
今日まで出会わなかった人と、明日出会うことだってあります。
だから、焦らなくていい。
人と比べなくていい。
そして何より、
自分で自分の可能性を終わらせないでください。
人生の第二章は、誰かに始めてもらうものではありません。
自分が、
「これからも幸せになりたい」
と思った瞬間から始まります。
57歳からの婚活は、遅いどころか、
これまでの人生を知っている今だからこそ、本当に大切な人を選べる婚活なのかもしれません。
あなたの人生は、まだ続いています。
そして、
「これから」が、一番大切なのです。
M’sブライダルジャパン・インターナショナル
代表 宮﨑 央至
