先日、一本のLINEが届きました。
「実は3月3日に緊急入院、緊急手術をしました。
まだ退院の目処が立ちません。」
送り主は、ある会員様のお母様でした。
70代の女性です。
その短い文章を見た瞬間、胸の奥がぎゅっと締めつけられるような気持ちになりました。
それは単なる近況報告ではありませんでした。
その文面の奥には、言葉にしきれない不安や、娘さんを思う気持ち、そして「どうか間に合ってほしい」という祈りのような願いが込められているように感じたのです。
このお母様は、40代で離婚を経験された娘さんのために、ご自身の希望で結婚相談所への入会を決断されました。
理由はとてもシンプルで、とても深いものでした。
「娘にもう一度、幸せになってほしい」
それだけでした。
けれど、その一言には、母親としての長い時間、見守ってきた日々、言葉にできない心配、そして何より深い愛情が詰まっていました。
初めて面談でお会いしたとき、お母様はとても明るく、しっかりとした印象の方でした。
落ち着いた口調でお話しされながらも、娘さんのことになると、表情がふっと柔らかくなるのが印象的でした。
「この子は本当に優しい子なんです」
「我慢強くて、あまり自分のことを言わないんです」
「だからこそ、ちゃんと幸せになってほしいんです」
そうおっしゃる姿には、娘さんへの誇りと、母親にしか持てない切実な愛情がにじんでいました。
そして、面談の最後に、お母様は静かにこうおっしゃいました。
「私が元気なうちに、もう一度、幸せになってほしいんです」
その言葉は、今でも心に残っています。
婚活というと、多くの方は「本人が頑張るもの」「本人の意思で進めるもの」というイメージを持たれるかもしれません。
もちろん、それはその通りです。結婚は本人の人生であり、最終的に決めるのはご本人です。
けれど現場では、それだけではない場面に何度も出会います。
婚活の背景には、実にさまざまな理由があります。
寂しさを埋めたい。
人生を共に歩む人がほしい。
家庭を持ちたい。
子どもがほしい。
第二の人生を穏やかに生きたい。
そして時に、こんな想いもあります。
「親を安心させたい」
「親が元気なうちに、安心してもらいたい」
これは決して珍しいことではありません。
特に40代、50代、60代の婚活では、親の存在が大きな意味を持つことがあります。
親というのは不思議なものです。
子どもが何歳になっても、やはり子どもは子どもです。
40歳を過ぎても、50歳になっても、親にとってはずっと大切な存在です。
自分の人生よりも、子どもの幸せを願う。
自分の体調が不安になってきた時ほど、「この子はこの先一人で大丈夫だろうか」と案じる。
それが親心なのだと思います。
そして私は、この仕事を通じて何度もその深さに触れてきました。
結婚相談所 は、単に条件で人を結びつける場所ではありません。
年齢、年収、学歴、婚歴、職業――もちろんそうした条件は大切です。
けれど、本当に大切なのは、その人が何を願ってここに来たのか、どんな人生を歩み、どんな未来を望んでいるのかを理解することです。
だから私は、結婚相談所の仕事をするとき、「人を紹介している」という感覚だけでは足りないと思っています。
私は時々、この仕事を「心の指圧」に似ていると感じます。
指圧とは、痛いところを力任せに押すものではありません。
表面だけ触れるものでもありません。
その人が抱えているこわばり、疲れ、滞りを丁寧に感じ取り、必要な場所に必要なだけ手を添えるものです。
婚活も同じです。
本人の表情は明るく見えても、心の奥には不安があるかもしれない。
強く見える方でも、本当は孤独を抱えているかもしれない。
「もう大丈夫です」と言いながら、誰かに支えてほしいと願っているかもしれない。
その見えない想いに触れ、少しずつ心をほぐし、その方がまた前を向けるように支える。
その積み重ねが、結果としてご縁につながっていくのです。
だから私は、自分の仕事をただの仲介業だとは思っていません。
条件のマッチングだけではなく、人生の痛みや願いに手を添える仕事だと思っています。
今回のお母様からのLINEを見たとき、真っ先に浮かんだのは、「このお母様を安心させてあげたい」という気持ちでした。
もちろん、結婚は急いで決めるものではありません。
無理に誰かと結ばれることが幸せではありません。
けれど、本当に大切にしたいのは、「この方には、もう一度幸せになっていい人生がある」ということを、本人にも、ご家族にも、ちゃんと伝えることです。
離婚を経験した方の中には、「自分はもう一度幸せになれるのだろうか」と感じてしまう方が少なくありません。
年齢を重ねればなおさら、「今さら再婚なんて」「もう遅いかもしれない」と思ってしまう方もいます。
でも、私はこの仕事をしていて、何度も確信しています。
人生は、一度きりではありますが、幸せは一度きりではありません。
最初の結婚でうまくいかなかったとしても、それですべてが終わるわけではありません。
遠回りをしたからこそわかることがあります。
痛みを知っているからこそ、人に優しくなれることがあります。
失った経験があるからこそ、本当に大切なものを見極められることがあります。
再婚は、妥協ではありません。
新しい人生を、自分の意思で選び直すことです。
そしてそれは、とても前向きで、力強い選択です。
40代の再婚にも、50代の再婚にも、60代以降の再出発にも、それぞれの美しさがあります。
若い頃の恋愛とは違う、落ち着いた信頼や、穏やかな思いやり、日常を大切にする深い愛情があります。
今回の娘さんも、まだ40代です。
人生はまだ長い。
これから出会える人がいます。
これから築ける家庭があります。
これから取り戻せる笑顔があります。
「もう一度、幸せになっていい」
私はこの言葉を、もっと多くの方に届けたいと思っています。
婚活の場に来られる方の中には、表面的にはとても落ち着いて見えても、心のどこかで「自分にはもう資格がないのではないか」と感じている方がいます。
年齢、婚歴、家庭事情、親の介護、仕事、過去の傷――いろいろな事情が重なり、自分の可能性を小さく見積もってしまうのです。
でも、本当は違います。
人は何歳からでも、人生を立て直せます。
何歳からでも、心が通う相手に出会えます。
何歳からでも、新しい日常を始められます。
大切なのは、条件だけを見ることではありません。
この人はどんな時に笑うのか。
何を大切にしてきたのか。
どんな優しさを持っているのか。
どんな未来を望んでいるのか。
そこに目を向けると、婚活は単なる出会い探しではなく、その人の人生を整える時間になります。
今回のお母様のように、ご家族の願いが婚活の背景にあることもあります。
そして、その願いに触れた時、私は改めて思います。
この仕事は、ただプロフィールを流し、条件を照合し、日程を組むだけの仕事ではない。
人と人をつなぎ、その先にある家族の安心や、未来のぬくもりまで見つめる仕事なのだと。
だから私は、今日もお相手を探しています。
一人の女性が、もう一度人生に希望を持てるように。
一人の母親が、安心して退院できるように。
「この子は大丈夫」と思って眠れる日が来るように。
婚活とは、条件表の上で完結するものではありません。
そこには必ず、誰かの願いがあります。
本人の願い。
家族の願い。
そして、まだ見ぬ未来への願いです。
M’sブライダルジャパンインターナショナルは、これからもただ紹介するだけではなく、その願いに寄り添う結婚相談所でありたいと思っています。
もし今、人生のどこかで立ち止まり、
「もう一度幸せになれるだろうか」
「今からでも間に合うだろうか」
そう感じている方がいらっしゃるなら、お伝えしたいことがあります。
大丈夫です。
幸せは、もう一度訪れていいのです。
そしてその一歩を、誰かと一緒に踏み出していいのです。
私たちは、条件の先にあるあなたの人生を見ています。
そして、その心にそっと手を添える「心の指圧師」でありたいと思っています。
