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♡ 婚活に活かす行動経済学 ♡

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♡ 婚活に活かす行動経済学 ♡
序章:恋愛と結婚における意思決定とは何か?

私たちは、恋愛や結婚といった人生の重大な選択を、感情に任せて決めているようでいて、実は驚くほど経済的な意思決定に似たパターンを辿っている。選択肢の比較、リスクの回避、将来予測、そして「今この瞬間」における効用の最大化——これらはすべて、行動経済学の領域で長年研究されてきた意思決定の要素である。

ある30代後半の男性、直樹さん(仮名)は、婚活アプリを通じて多くの女性と出会ってきた。スペックは申し分ない。しかし彼がなかなか「この人だ」と決断できない理由は、「もっといい人がいるかもしれない」という機会損失の恐怖、すなわち行動経済学でいう"選択のパラドックス"に起因している。

第1章:行動経済学とは?恋愛との接点

行動経済学は、伝統的な経済学が想定する「完全に合理的な人間像(ホモ・エコノミクス)」とは異なり、人間の非合理性や感情、バイアスを前提として意思決定を考える学問である。恋愛の世界ほど、この非合理性が色濃く現れる領域はない。

たとえば、「損失回避バイアス」。 3年付き合っていた彼氏と別れるべきか悩んでいた真由美さん(仮名)は、「これまでの時間が無駄になる」という気持ちから、関係を断ち切ることができなかった。これは明らかに”サンクコスト効果”の典型であり、行動経済学の主要概念のひとつだ。

第2章:初期接触とデートにおける意思決定バイアス

初対面の印象に影響される「ハロー効果」や、プロフィール写真だけで判断する「利用可能性バイアス」は、婚活市場で頻発する。結衣さん(仮名)は、写真でイケメンに見えた男性と会ったが、実際は会話が弾まず、がっかりした。だが彼女は「第一印象がよかったから」と、3回もデートを重ねた。

また、選択肢が多すぎると人は決断できなくなる。これは”選択のパラドックス”と呼ばれ、マッチングアプリで何百人もの異性をスクロールしても誰とも会えない、という現象に表れている。

第3章:交際期間中の感情と合理性の葛藤

恋愛中の人々は、よく「情に流される」と言う。これはまさに「確証バイアス」の現れである。誠実さに欠ける恋人に対し、「でも彼はあの時助けてくれた」と過去のポジティブな経験だけを選び取り、否定的な情報を無視する心理である。

また、「現状維持バイアス」も強く働く。変化することの不安から、明らかに不満足な関係を維持してしまう。このように、恋愛は感情の波に翻弄されるだけでなく、意思決定の誤謬に満ちている。

第4章:結婚という意思決定の構造

結婚は、恋愛関係とは異なり、法的・経済的契約の性質を持つ。経済心理学者の視点では、「利得の最大化」と「リスクの最小化」という意思決定原則が強く働く。

実際、婚活市場では「年収○○万円以上」「身長○cm以上」といった条件が明示されているが、これはまさに「期待効用理論」に基づく合理的な選択行動である。ただし、実際にはこの条件が幸福な結婚を保証するわけではない。これは、合理性と感情のミスマッチが生むジレンマである。

第5章:日常生活の中の交渉と合意形成

結婚後の生活では、「どちらが家事をするか」「子どもの教育方針はどうするか」といった日常的な意思決定が山積みである。ここでは「共同意思決定理論」や「家庭内交渉モデル」が応用される。

友人の夫婦、健一さんと里美さんは、家事分担を「時間換算で週5時間ずつ」と決めたことで、対等な関係を築いている。これは家庭内での”ナッシュ均衡”に近いものであり、行動経済学が理想とする合意形成の例と言える。

第6章:文化・ジェンダー・市場構造との交差点

恋愛や婚活における意思決定は、個人の価値観だけでなく、文化的・社会的構造によっても大きく左右される。例えば、日本では「女性は若いうちに結婚すべき」という無意識のバイアスが今も根強く残っている。

このような構造的バイアスは、婚活における自己評価を歪め、合理的選択を困難にする。これは”社会的期待の内面化”と呼ばれ、行動経済学と社会心理学が交差する領域である。

第7章:未来の婚活—ナッジ理論とテクノロジーの活用

近年、AIやアルゴリズムを使ったマッチングが主流となりつつあるが、ここに行動経済学の”ナッジ理論”が活用され始めている。

たとえば、あるマッチングアプリでは、同じ趣味を持つ人が最上位に表示される設計により、「決断疲れ」を防ぎ、マッチ率を高めている。これは選択環境の設計(choice architecture)を通じた行動の最適化である。

終章:恋愛と経済の境界を超えて—感情と理性の統合

恋愛と結婚は、感情と経済、理性と本能が交錯する極めて複雑な意思決定プロセスである。行動経済学は、こうした非合理性に光を当て、より良い選択を導くためのヒントを提供してくれる。

だが最終的に、意思決定を行うのは他ならぬ「人間」であり、感情という不確実性を完全に排除することはできない。それでも、理性の地図を持ちながら感情の海を航海することは、婚活において非常に有効な戦略なのである

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