婚活で「盛り上がったのに次がない」本当の理由
「今日は楽しく話せた」—お見合いの帰り道、Aさん(38歳)はそう思っていました。会話も途切れず、相手も笑顔で聞いてくれた。「次につながるはず」と期待していたのに、3日後に届いたのは「ご縁がなかった」という連絡でした。
何が悪かったのか。Aさんは理解できませんでした。嫌な態度を取ったわけでもないし、一生懸命話したつもりです。
実は、こうした「自分は楽しかったのに相手はつまらなかった」という状況は、婚活で非常によくあります。そして原因の多くは「会話の仕方」にあるのです。本人は気づいていないから、何度デートを重ねても同じ結果を繰り返してしまいます。
なぜ「楽しい会話」のはずが次につながらないのか
婚活パーティーやお見合いから帰る道中、あなたはこう思ったことはありませんか。
「会話は盛り上がったと思ったのに、なぜか次につながらない」
「相手は笑顔で話を聞いてくれたのに、後日お断りされた」
「『悪い人じゃないんだけど』というフィードバックをもらった」
もしこれらに心当たりがあるなら、問題は「性格」でも「容姿」でもなく、会話の仕方にあるかもしれません。
特に厄介なのは、本人がそれに気づいていないケースです。なぜなら、あなた自身は楽しく会話していたから。笑いもあったし、話題も途切れなかった。だから「うまくいった」と感じてしまいます。でも相手は違います。相手は社交辞令で笑顔を作り、心の中では「この人と話していても楽しくないな」と感じているのです。
ここで最も重要なのは、「自分が楽しい会話」と「相手も楽しい会話」はまったく別物だということです。多くの人は会話を「自分の知識や経験を披露する場」だと無意識に捉えています。でも婚活における会話は「情報交換の場」ではありません。「お互いを知り、心地よい時間を共有する場」なのです。
気づかないうちに相手をしらけさせる3つのパターン
「自分は楽しく話しているのに、相手がつまらなそう」には、典型的なパターンがあります。
パターン1:会話の「単語」だけに反応している
お相手「最近、仕事が忙しくて。でも週末にカフェ巡りをするのが唯一の楽しみなんです」
あなた「カフェですか! 私もコーヒー好きなんですよ。豆の種類とか詳しくて、エチオピア産のイルガチェフェが特におすすめで…」
一見、相手の話題に乗っているように見えます。でも相手が話したかったのは「カフェのコーヒー豆」ではありません。「忙しい中で癒やしを見つけている自分」を話したかったのです。ところがあなたは「カフェ」という単語だけに反応して、自分の知識を披露してしまいました。相手からすると「私の話、聞いてくれてないんだな」と感じます。
パターン2:相手の話を繰り返すだけ
お相手「昨日、久しぶりに映画を観に行ったんです。最新のアクション映画ですごく迫力がありました」
あなた「へえ、映画ですか。私も昨日映画観に行きました。アクション映画で迫力がありましたよ」
相手の話した内容をそのまま繰り返すだけでは、会話に何の価値も加わりません。相手は「それ、私が今言ったことだけど…」と困惑します。会話には「新しい視点」や「共感」や「質問」を加える必要があります。たとえば「どんなシーンが一番印象に残りました?」など、相手の話を受け取った上で何かを返すことが大切です。
パターン3:話の着地点がない知識披露
お相手「趣味で登山をしているんです」
あなた「登山ですか! あ、そういえば登山用のザックって○○っていうブランドがあって…あれ、名前が出てこないな。まあいいや。とにかく登山用品って高いですよね」
相手が「登山」という話題を出したのは、自分の趣味について語りたいからです。ところがあなたは、登山用品のブランド名という「どうでもいい豆知識」を思い出そうとして、しかも思い出せずに終わる。話が宙ぶらりんで終わり、会話のテンポが止まってしまうのです。
これら3つに共通しているのは、「自分が話したいこと」を優先して「相手が話したいこと」を無視している点です。会話はキャッチボールです。相手のボールを受け取り、それに応じたボールを投げ返す。でも上記のような会話では、相手のボールを無視して、自分の投げたいボールを勝手に投げています。
「また会いたい」と思われる会話の具体的な方法
では、どうすればいいのでしょうか。明日から使える具体的な方法を3つお伝えします。
方法1:相手のボールを受け取ってから投げ返す
相手が「週末は友人と温泉に行ってきました」と言ったとします。このボールを受け取るとは、「温泉いいですね」「どこの温泉ですか?」「リフレッシュできましたか?」など、相手の話題に沿った反応をすることです。
ところが「温泉ですか。私は先週、山登りに行ってきましたよ」と、まったく別のボールを投げ返してしまう人がいます。これでは会話のキャッチボールになりません。
まずは相手の話題をしっかり受け取る。その話題について質問したり共感したりする。その後で自分の経験を話すなら「私も温泉好きなんです。最近だと○○温泉が良かったですよ」と、相手の話題に関連づけて話す。これが会話のキャッチボールです。
方法2:「質問」と「共感」を優先し、自分語りは最後
迷ったら、まず質問するか共感する。自分の話は一番最後です。
相手「仕事が忙しくて、最近疲れてます」
×悪い反応「私も忙しいです。先週なんて毎日残業で…」
○良い反応「それは大変ですね。休める時間は取れてますか?」
◎最良の反応「お疲れ様です。そんな中、今日は時間を作ってくださってありがとうございます」
会話の優先順位は、1位が相手への質問、2位が相手への共感、3位が自分の関連する話(短めに)です。
方法3:相手の反応を観察する
相手が本当に楽しんでいるか、観察する癖をつけましょう。
楽しんでいるサイン:
-
目が笑っている
-
身を乗り出して聞いている
-
「それでそれで?」と話の続きを促す
-
自分からも質問してくる
楽しんでいないサイン:
-
「へえ」「そうなんですね」など曖昧な反応が多い
-
時計やスマホをチラチラ見る
-
視線が泳いでいる
-
話題を変えようとする
もし後者のサインを感じたら、すぐに話題を変えるか、「○○さんは普段どんなことをされるんですか?」と相手に話す機会を渡すことが大切です。
会話後に必ずチェックすべき3つの質問
デートやお見合いの後、次の3つを自問してください。
-
相手について、今日何を知ったか? を5つ挙げられるか
-
相手が一番楽しそうに話していた話題を思い出せるか
-
自分と相手、どちらが多く話したかを正直に評価できるか
もし相手について何も知らなかったり、自分ばかり話していたと感じたら、それは要改善のサインです。
特に危険なのは「会話後の満足感」です。「楽しかった!」と感じた時こそ要注意。それはあなた自身の満足度であって、相手の満足度ではありません。本当に確認すべきなのは、相手も楽しそうだったか、相手もたくさん話せていたか、相手について新しいことを知れたか、です。
気づけば変われる—婚活は成長の場
ここまで読んで「自分、当てはまってる…」と落ち込んだ人もいるかもしれません。でも大丈夫です。気づけば、変われます。
多くの人は、自分の会話の問題に気づかないまま婚活を続けています。だから何度デートをしても同じ結果を繰り返します。でもあなたは今、自分の会話パターンに気づきました。それは大きな一歩です。
このコラムで紹介した内容をすべて完璧にこなす必要はありません。まずは一つだけ意識してみてください。「相手の話を最後まで聞く」「相手に質問を一つする」など、小さなことで構いません。それができるようになったら、次のステップに進めばいいのです。
会話で最も大切なのは、「相手を楽しませたい」という気持ちです。テクニックも大切ですが、それ以上に、相手に関心を持ち、相手の話を聞きたいと思い、相手が楽しい時間を過ごせるように気を配る。その気持ちがあれば、自然と会話は良い方向に向かいます。
「この人と話すと楽しい」と思ってもらえる日は、必ず来ます。焦らず、一歩ずつ、進んでいきましょう。
【監修】松原香保里 | 婚活仲人
婚活仲人として活動する中で、「良い人なのになぜか選ばれない」という会員様に数多く出会ってきました。その多くが、会話の仕方に問題があることに気づいていませんでした。このコラムは、そんな会員様たちとの対話から生まれた実践的な婚活会話術です。一人でも多くの方が「また会いたい」と思われる会話を身につけ、素敵なご縁に恵まれることを願っています。
