正直に言うと、婚活を始めたときは、ここまで苦戦するとは思っていなかった。
俺は32歳。
仕事は安定しているし、見た目もごく普通。
真面目な性格だし、結婚願望だってちゃんとある。
結婚相談所に登録して、プロフィール写真はプロに撮ってもらい、自己紹介文も時間をかけて考えた。
「これなら、さすがに何人かとは会えるだろう」
そんなふうに思っていた。
――でも、現実は違った。
申し込んでも返ってくるのは「お断り」
申し受けもほとんどない。
お見合いが決まらない日が続くと、想像以上に心にくる。
「何がダメなんだろう」
「俺って、そんなに魅力がないのかな」
気づけば、婚活が“自信を削られる時間”になっていた。
思い切って担当カウンセラーに聞いた。
「僕、何か根本的に間違ってますか?」
すると、否定するでもなく、優しくこう言われた。
「悪いわけじゃないですよ。ただ、Aさんの良さが、相手に“届いていない”だけかもしれません」
その言葉に、少し救われた。
そこから一緒にプロフィールを見直した。
まず指摘されたのは写真。
スーツで真面目な表情。
誠実さを伝えたつもりが、少し堅くて近寄りがたい印象になっていたらしい。
次に自己PR。
仕事内容、年収、趣味――
条件は書いてあるけれど、「どんな人なのか」が見えにくい。
さらに、申し込み相手の傾向。
無意識に、条件が理想に近い人ばかり選んでいて、
「この人と一緒にいたらどう感じるか」を考えていなかった。
正直、全部思い当たった。
「ちゃんとして見せなきゃ」
そう思うあまり、自分らしさを隠していたのかもしれない。
そこから、少しずつ変えてみた。
写真は、自然な笑顔のものに撮り直した。
自己PRも、「映画鑑賞」だけでなく、「休日にコーヒーを飲みながらゆっくり過ごす時間が好き」など、感情が伝わる言葉に変えた。
申し込み文も、定型文ではなく、「話し方が穏やかそうだと感じました」そんな一言を添えるようにした。
すると、不思議なことに、少しずつお見合いが成立し始めた。
この経験で分かったのは、婚活は“自分をよく見せる場所”じゃないということ。
大切なのは、
「どんな人か」
「どんな関係を築きたいか」
それが、相手にちゃんと伝わること。
結婚相談所でのサポートは、ただ出会いを増やすことじゃなかった。
自分でも気づいていなかった“伝え方のズレ”を、一緒に整えてくれた。
今も婚活の途中だけれど、以前のような不安はない。
焦らず、誠実に、自分らしく向き合えている。
もし今、「普通に頑張っているのに、なぜかうまくいかない」そう感じているなら、あなたがダメなわけじゃない。
ただ、少しだけ“伝え方”を見直すタイミングなだけかもしれない。
一人で悩まず、誰かと一緒に整理してみる。
それだけで、婚活は驚くほど前に進むことがある。
きっと、あなたの良さも、届く相手にはちゃんと届く。
そのご縁をつなぐための場所が、ここにはある。
