私が結婚相談所での活動を始めたのは、33歳のときでした。
恋愛はそれなりにしてきました。
けれど、「この人と人生を歩みたい」と心から思える相手には、なかなか出会えませんでした。
気づけばアプリでの出会いも惰性になり、メッセージのやり取りも面倒に感じるように。
「このまま続けても変わらない気がする」
そんな気持ちが心のどこかにありました。
そんな時、結婚した友人から勧められたのが結婚相談所でした。
入会説明を受けたとき、カウンセラーさんの言葉が今でも強く残っています。
「結婚相談所の交際期間は、基本的に“3か月”が目安です。この中でお互いの気持ちを確かめ、『仮交際』から『真剣交際』へ進むか判断していきましょう」
その瞬間、正直驚きました。
恋愛に“期限”があるなんて、冷たくて窮屈に思えたからです。
でも、実際に活動してみて、その仕組みのありがたさを痛感することになりました。
最初にお見合いをしたAさんは、優しくて気配りができる素敵な方でした。
数回お会いするうちに安心感も芽生え、「このまま良い方向に進めば……」と期待した時期もありました。
けれど、結婚の話になると返事はいつも曖昧。
「子どもは欲しいですか?」と聞くと「まあ、そのうちに」
将来の話題になると、どこか他人事のような反応が続きました。
もし“期限”がなければ、私はそのままズルズル会い続けていたと思います。
でも3か月の区切りがあったことで、「本当にこの人と将来を考えられるのか」と自分に問い返す時間が自然と生まれました。
結果、丁寧に話し合った上で交際終了に。
短い期間でしたが、この経験のおかげで“結婚を前提に関係を築く”とはどういうことなのか、私の中で覚悟が少しずつ育っていきました。
その後、紹介されたのが今の夫です。
初対面の印象は「誠実そう」
2回目にお会いしたとき、彼からはっきりと言われました。
「僕は結婚を前提にお付き合いしたいと思っています」
これまでの恋愛では、こんなに早く本音を聞いたことがありませんでした。
むしろ、将来の話を出すと「重い」と言われた経験さえあります。
でも相談所では、それが“普通”。
お互いが結婚を目的として出会っているから、遠慮なく未来の話ができる。
仕事や住む場所、家族観、お金の考え方——現実的な話題もスムーズに話せたのは、私自身が「期限のある交際」を理解していたからだと思います。
そして3か月後、彼からプロポーズしていただきました。
そこからは本当に早く、両親への挨拶、成婚退会、半年後の入籍までトントン拍子。
以前の私なら考えられないスピード感でした。
“期限のある交際”というと、焦らされるように感じるかもしれません。
でも実際はその逆で、限られた時間があるからこそ、自分の気持ちに丁寧に向き合えるのだと実感しました。
曖昧なまま続く恋ではなく、きちんと向き合い“選ぶ恋”。
そして自分で未来を“決める恋”。
結婚相談所の仕組みは、その背中を優しく押してくれたのだと思います。
あの3か月ルールがあったから、私は迷わずに今の夫との未来を選べました。
恋愛の自由さも素敵だけれど、結婚という人生の大きな選択をするには、少しの期限と覚悟が、案外ちょうどよかったのかもしれません。
もし、今の恋愛に不安があったり、「このままでいいのかな」と感じているなら、相談所という選択肢を一度考えてみてもいいと思います。
“結婚したい”という同じ思いを持つ人同士が出会い、向き合える場所は、想像以上に安心で、思った以上に前向きになれる環境です。
あなたにも、きっと大切な3か月が訪れます。
そしてその先に、未来を一緒に歩みたいと思える人に出会えるはずです。
