男性は、女性から命令口調でものを頼まれても、いい反応を示さない。たとえ、相手の要求どおりのことをしてあげようと思っていたとしても、彼女の態度があまりにも強硬であれば「NO」と答えてしまうのだ。
要求が命令へとエスカレートしてしまった時、彼女は彼の思いやりある助言や助けを得るチャンスを失う。彼は、彼女が命令口調で頼めば頼むほど何もしてくれなくなってしまうのである。
こうした男性の本質を理解していない女性は、恋愛も結婚生活もうまくいかない。この問題は、かなり解決困難なことのように思えるが、必ず解決できる。私達が自分の望んでいることを相手に要求し、望みどおりに手に入れることができるまでの３つの段階を紹介していくことにする。
（１）もっと抵抗感なく男性に「YES」と言わせる法
第１の段階は、彼があなたのためにいつもやってくれること〜特に、重いものを運んでもらったり、壊れたり故障したものの修理など、家の内外の掃除、整理整頓とかいった細かい雑用〜をもっと快く引き受けさせる賢い要求術を完璧に自分のものとする。
まず心得ておかなければならない重要なコツは、彼がすでに何度もやってくれたことがあるからといって、それを「当然のことだ」というような調子で頼まないことである。そして、彼がやり終えてくれた時には、大いに感謝の気持ちを表わすようにする。決して、彼のほうから自発的にやってくれることを期待してはならない。
この段階では、彼に無理なことを要求しないことが重要である。彼が普段、ごく自然にやってくれている細かな雑用に焦点を絞って頼むようにしよう。その際には、絶対に高飛車な命令口調にならないように気をつける。そうすれば、彼はあなたから用事を頼まれても不快にならず、そのように下手に出た口調で頼まれること自体に慣れて抵抗感なくやってくれるようになる。
彼が、あなたの頼みを命令されているかのように受け取ってしまうと、自分ではどんなに言葉を選んで丁寧な言い方をしたつもりでいても、思いもよらない誤解をされてしまうことがある。彼は、これまでの自分の実績をあなたが認めていないと受け取ってしまうのだ。だから、高飛車な命令口調で有無を言わさずに用事をさせようとしているのだと感じ取る。
これでは彼に抵抗感を植え付けてしまうばかりである。そして、あなたの愛情を信じなくなっていく。この誤解は、あなたがこれまでの彼の実績を認め、感謝の意を表わすまで大きくなる一方である。どんなに頼んでも快くやってはくれず、しだいに何もしてくれなくなってしまうだろう。
こうして彼は、知らぬ間にあなたによって（それ以前に、すでに彼の母親によって経験済みかもしれないが）用事を頼まれた時には、反射的に「NO」と答えるように条件づけされていく危険性がある。したがってこの第１段階では、あなたの要求に対して彼が積極的に「YES」と答えるように条件づけをしていこうというわけである。
男性は、自分のやったことが「当然のこと」のように受け取られず、あなたを喜ばせ、感謝されていることがわかると、あなたからの頼みに対して可能な限りの力をつくして積極的に応じてあげようとする。そして、自発的に自分のほうから手伝いを申し出てくるようになるのである。
しかし、はじめからこのような反応を期待してはならない。決して高飛車な口調で頼み事をせずに、下手に出ながら忍耐強く条件づけをしていくうちに、徐々にそうなっていくのである。
彼がすでに実績を示してくれていることへの要求から始める理由は他にもある。あなたは、まず何よりも、相手が確実に自分の要求を聞き入れてくれ、積極的に応じてくれることを通じて要求術の基本を身に着けていく必要があるからだ。何事も簡単なことから始めて基本をマスターしていくことは、上達の鉄則である
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